2016年4月4日
修正申告と更正処分
日本は自主申告制度をとっています。自主的に自分の税額を計算し申告して、自主的に納税する。日本国憲法の主権在民を基礎とした制度なのです。
ですから、修正申告を出すということは、自分で認めたということになります。自分で認めるということは、後で間違っていましたと主張する場合、間違っていたという証拠や説明を納税者がしなくてはなりません。
更正処分とは、税務署長が調査した結果と、申告の内容に誤りがあれば、修正申告をするよう勧奨して、応じなければ税務署長の権限で税金を決めてしまうことができる制度です。
必ず、修正申告を奨める手続きをしなくてはなりませんし、その計算の根拠なども事前に示さなくてはなりません。これに納得できない場合は、反論をすることもできます。そこで、意見が一致しないことが明らかになれば税務署長が更正処分をします。
更正処分に対しては異議申し立てをすることができますし、裁判所に判断をお願いすることができます。
しかし、修正申告を出してしまっては、異議申し立てができません。
もっとも、計算の誤りなど明らかな誤りがあれば、「更正の請求」は、一定の手続きの元でできますが、計算の考え方や法律の解釈が覆ることはありません。
では、更正処分を受けると、修正申告で奨められた内容と厳しくなるかというと、そういうことはできません。修正申告を奨められた内容でしか更正処分はできません。つまり、修正申告をすると後で考え直すことができなくなるのです。そのあたりをよく考えて、税務調査の結果、修正申告を奨められた内容に妥当性があるなら修正申告すれば良いのですが、納得できないことを、そのままに修正申告に応じると取り返しのできないことになります。ご注意ください。
プロフィール
代表疋 田 英 司
平成17年 大阪国税局退官
疋田税理士事務所開設
平成18年 税理士法人京阪総合会計事務所
開設
●現在の主な活動
税理士業務
(開業支援、経営支援、相続のご相談など)
ボランティア支援
NPO法人の支援